月別アーカイブ: 2014年7月

チュートリアル:SCCToolKitのビルド

ステップ0: 必要なファイルを集める

現在,SCCToolKitはMac OS X 10.7 – 10.10で動作を確認しています.これは,そのバージョン以降で使えるCoreImage,libdispatchライブラリとApple独自のC/C++言語仕様を用いているためです. SCCToolKitのソースファイルの他,次のファイルが必要です.

基本的にこれらを何処にインストールしても大丈夫です.お奨めはこの方法ですが,墨守する必要はありません.

ステップ1: SCCToolKitのダウンロード

SCCToolKitはGitHubからダウンロードできます.右下の方にある”Download ZIP”ボタンが便利です. これをクリックしてzipファイルをダウンロードして,ハードディスク内のお好きなところに展開して下さい.デフォルトでSCCToolKitなどとなっている親フォルダ名を変えても構いません.しかし,その中のファイル名とフォルダ名は変えないでください.またファイルやフォルダの階層構造を変えないでください.

ステップ 2: SCCToolKitのビルド

コマンドライン版のccmakeを使うやり方を紹介します.GUI版のCmakeを使うこともできます.ccmakeの使い方はここでは説明しません.

  1. コマンドcdで前のステップで展開したSCCToolKitのディレクトリへ移動
  2. コマンドmkdir build ; cd build
  3. コマンドccmake .. デバッグにXcodeを使いたい場合は,ccmake -GXcode ..
  4. ‘c’キーを一度押す.ccmakeがOpenCV, Qt, DeckLink SDKの場所を探します.見つからない場合はエラーが出ますので,教えて上げて下さい.
  5. ccmakeで’g’キーを押せるようになるまで,’c’キーを何度か押す必要があります.’g’を押すとccmakeが終了します.
  6. コマンドmakeを実行.ライブラリとサンプルプログラムがビルドされます.
  7. 首尾良くビルドできた場合,makeコマンドが 100% doneと表示して終わります.
  8. サンプルを動作させてみて下さい.

ステップ 3: SCCToolKit内のAppsをビルドしてみる

Appsフォルダ内のプログラムは,ライブラリとは別にビルドする必要があります.前のステップとほぼ同じです.

  1. コマンド cd Apps/lkdemo
  2. コマンド mkdir build ; cd build
  3. コマンド ccmake ..
  4. cを一回押す.ccmakeは,SCCToolKitConfig.cmakeファイルの場所を尋ねてきます.今の例では../../buildにあるので,教えてあげます.
  5. SCCToolKitConfig.cmakeを見つけた後,’c’キーを何度か押すと’g’キーを押せるようになります.押すと設定を完了します.
  6. コマンド make 首尾良くビルドできれば,Appがbuild/bin/に出来上がっています
  7. 動作させてみて下さい

Qt 5.x Support

SCCToolKitはQtバージョン5.xを使ってビルドできるようになりました.

変更点

  1. Qt 4かQt 5のいずれかをビルド時に選ぶことができます.1つのPCに異なるバージョンのQtを混在させることができます.
  2. ただし,OpenCVを”with Qt”を選択してビルドした場合は,SCCToolKitも同じバージョンのQtを使ってビルドする必要があります.SCCToolKitは自動的にどのQtがOpenCVのビルドに使われたかを読み込むことができます.
  3. その他のバグフィックス.

重要

Qt 5としては,Qt 5.6を当面使用することをお奨めします.理由は,

  1. Qt 5.6はlong term supportとして長期間(最低3年)サポートされることが表明されています
  2. Qt 5.6のコア部分はLGPLv2が選択可能です(5.7からはLGLPv3,モジュールによってはLGPLがありません)
  3. Qt 5.5はウィジェットのレイアウトが崩れる問題を確認していましたが,Qt 5.6では解消されています.

なお,Qt 4のlong term support版はQt 4.8です.特段の理由が無い限り,Qt 5の使用をお奨めします.今後,徐々にQt 4のための機能強化を減らします.

新しいマクロ

Cmake/SCCToolKitUtils.cmake と Cmake/QtMacrosExtra.cmake をご覧下さい.